ホルヘ・ロレンソ引退を発表! 引退記者会見のコメント内容まとめ


まさかのニュースです。
11月15日(金)~11月17(日)の日程で、2019年シーズンの最終戦となるMotoGP 第19戦 バレンシアGPですが、開催前日の14日にレプソル・ホンダのホルヘ・ロレンソがプレスカンファレンスルームで報道陣向けに記者会見を開き、ホームレースとなるバレンシアGPを現役最後のレースとし、引退を発表しました。

海外メディアが「ドルナのCEO カリメロ・エスペレータ氏も会見に参加するらしい。これはまさか・・・ロレンソの引退!?」と噂をしていたのですが、私も「まさかな・・・そんなわけが無いだろう・・・」程度にしか思っていなかったのですが、突然のロレンソ引退の発表で驚きました。

今日はロレンソの引退記者会見でのコメントの和訳全文と、ロレンソ引退について他のライダーから発表されたコメントなどについて紹介したいと思います。



ホルヘ・ロレンソ MotoGP世界選手権 現役引退 動画




ホルヘ・ロレンソ・引退会見の様子


以下、MotoGP公式HPより


ホルヘ・ロレンソ引退会見 和訳

「この記者会見に来てくれて本当にありがとうございます。
私にとって大きな意味があり、とても幸せです。

ライダーとしてのキャリアには、重要な4日間があるといつも考えていました。

それは初めてレースに出走した日、初めて優勝を挙げた日、初めてチャンピオンシップを獲得した日、そして引退する日です。

皆さんが想像している通り、その日が来たことを告げるために私はここにいます。

これが私のラストレースとなり、このレースが終わると、プロフェッショナルなレースから引退します。

3歳のときに全てが始まりました。

私は約30年間、このスポーツに捧げてきました。
私と一緒に働いてきた人たちは、私がどれだけ完璧主義者で、どれだけ努力を尽くしてきたのかを知っています。
非常に高いレベルのモチベーションを自分自身に要求します。
私のキャリアの中で最も輝いたヤマハでの9年間は決して忘れられず、自分のスポーツに対する高いレベルの約束を維持したかったので変更が必要だと感じました。

ドカティへの移籍は、必要と感じていた大きな後押しが得られ、結果は悪かったですが、決して諦めないという燃料のようなエクストラなモチベーションを活かし、ドカティのファンの前で、ムジェロで最高のレースができました。

ホンダとサインを交わしたときには、似たような感覚があり、全てのライダーの夢の1つであるホンダのファクトリーライダーになることを成し遂げました。

不運にも今シーズンは怪我が重要な役割を果たすことになってしまい、普通の体調で走ることができませんでした。

決してナチュラルに感じたことがないバイクを走らせることで、さらに難しいレースとなってしまいました。
忍耐を決して失わず、私は闘い続けました。
単純に時間の問題で、全てが正しい場所に収まると考えていました。

しかし、光が見え始めたとき、モンメロのテストで悪い転倒をしてしまい、その後にアッセンであの醜い転倒に見舞われてしまいました。


グラベル上で横転が止まったあの瞬間、『ここで何をしているんだ?これは本当に価値があることか?オレは終わった・・・』と最初に思いました。

数日後、人生とキャリアについてじっくりと考え、現役を続けることを決断しました。
すぐに意思決定を下したくなかったんです。

あのクラッシュが原因だということは真実です。

私には乗り越える壁が高すぎました。
試してみたとしても、その壁を登り続けるためのモチベーションと忍耐を見つけることができませんでした。

私はこのスポーツが大好きで、走ることが大好きです。

しかし、何よりも勝つことが大好きなんです。



何か大きなことのために、タイトルを獲得するために、少なくても勝利のために闘うことができません。

キャリアのこの段階で、特に前進を続けるためのモチベーションを見つけることができませんでした。
ホンダとの目標は、少なくても短期間では実現的ではないことに気づきました。
ホンダは私を特に信頼してくれ、機会を提供してくれたアルベルト・プーチには、本当に申し訳ないと言わなければいけません。

ある日、モンメロで私たちは会い『間違ったライダーとサインを交わすという間違いをしないで、オレを信じてくれ。後悔はさせない。』と彼に言ったことを思い出します。


とても悲しいことに、私は彼を失望させたと言わざるを得ません。

常に例外的な手段で対応してくれた横山健男さん、桑田哲宏さん、野村欣滋さん、そしてチームのみんなにも失望させてしまいましたが、これは私とチームにとって最善の決断だと感じています。

ホルヘ・ロレンソとホンダは、数ポイントを獲得するために参戦することはできません!


美しい 成功のキャリアに話しを戻すと、常に言ってきたように私はとても幸運な男です。

インド人がNBAに挑戦するドキュメンタリー、『One in a Billion(ワン・イン・ア・ビリオン)』のようだと感じるときが時々あります。

キャリアの中で、同世代の並外れた多くのライダーたちとレースをしてきました。

その中には、私よりも豊富な才能を持ったライダーたちが何人もいましたが、私ほど成功したライダーは誰一人いませんでした。

彼らの多くが世界選手権にさえ参戦することができず、一般的な仕事に就かなければいけませんでした。

キャリアを始めたときに想像していた成功を越えました。
そのことをとても幸運だったと感じます。
確かに私はいつも懸命に働いてきましたが、キャリアを通じて一緒に働いてきた多くの人たちの助けがなければ、正しい時期に正しい場所にいることはできず、このような成功を収めることは不可能でした。

だからこそ、全ての人たちに心から感謝したいです。

このチャンピオンシップをこれほど偉大にしてくれたカルメロ・エスペレータとドルナスポーツにも感謝したいです。

所属したデルビ、アプリリア、ヤマハ、ドカティ、ホンダ、特にジャンピエロ・サッキ、ジジ・ダリーニャ、リン・ジャービス、アルベルト・プーチに感謝したいです。

この世界に連れてきてくれた母親、このスポーツの情熱を見せてくれた父親、ここ数年間私のために犠牲を払ってくれた全ての人たちにも感謝したいです。

無条件の愛を与えてくれたファンとファンクラブの皆さん。パーソナルチームとして一緒に働いてくれた全ての人たち。

いつも正直に忠実に対応してくれたアルベルト・バレラ。
彼らみんなに心から感謝したいです。」




と、引退会見でロレンソは発言しています。
素晴らしい引退会見の言葉ですよね。
ロレンソの引退会見での台本は入念に作り込んでおり、本人にとっても会見が特別なものだったに違いありません。


ホルヘ・ロレンソ引退会見の台本


ロレンソの引退会見の後に、MotoGPクラスへ参戦しているライダーたちからもコメントが発表されているので紹介したいと思います。


ホルヘ・ロレンソ引退について MotoGPライダー達からのコメント






マルク・マルケスのコメント

彼のチームメイトですが、もちろん驚きでした。
チームも知らず、驚いていました。
結果は良くも悪くもなりますが、ボックス内での仕事の手段は、加入1日目から全く同じでした。
1時間前に彼を訪れ、彼のキャリア、特に決断を下した事を祝いました。
彼は正真正銘のチャンピオンですから、これには大きな意味があります。
トップに進出できないと感じたときに決断を下したのです。
トラック内外でも、強い性格の持ち主で正真正銘のチャンピオンです。
彼を祝福し、良い将来が待っていることを願います。」



アンドレア・ドヴィジオーゾのコメント

「ホルヘは僕のライバルでした。
初めて彼に会ったのは、2001年の欧州選手権です。
そこから同じ時期にクラスを変更して行き、常にライバルでした。
彼は多くのレース、そしてチャンピオンシップで勝ちました。
キャリアに幸せを感じていると思います。
不運にも、これはスポーツです。
時々、レベルを維持することが難しくなる場合があり、この2年間で複数の転倒を喫したことで精神的に影響があったと思いますが、チャンピオンシップでやったことは、とても偉大だと思います。」



マーベリック・ビニャーレスのコメント

「驚きでした。
5度もタイトルを獲得することは、決して容易なことではありません。
彼は最高のライダーで偉大な才能の持ち主です。
全てのレースで、各カテゴリーで常にトップに進出していました。
これは非常に重要なことなんです。
引退については、彼がその瞬間だと感じたら、その瞬間なんだと思います。
今後の人生において幸運を願います。」



アレックス・リンスのコメント

テレビでレースを観るようになったとき、私は彼を参考にして応援していました。
沢山のレースに勝利を挙げた私のアイドルです。
素晴らしい才能の持ち主で、彼とのファイトは最高でした。
あまり多くのレースでバトルができませんでしたが、彼とトラックを共有したことは素晴らしいと思います。」



バレンティーノ・ロッシのコメント

現代において、最も重要なライダーの1人であることは確かです。
私たちのスポーツにおいて、非常に重要な存在を失うと思います。
最高のチャンピオンであり、彼のスピードと集中力には何度も感銘を受けました。

MotoGPクラスに昇格したときは、最初から強い走りをしていました。

あれは2008年からなので、10年以上も前ですね。
私たちは長い間チームメイトでボックスを共有しました。
私のキャリアにおいて、個人的に彼は最大のライバルの1人でした。
何度か最高のレースを一緒に繰り広げました。
キャリアを終わらせることは、とても残念なことですが、将来の幸運を祈ります。」



フランコ・モルビデリのコメント

「最初に憶えていることは、彼がホルヘ・ロレンソだと初めて気づいたときです。
優勝したリオのレースでした。
彼は信じられないキャリアを持ち、本当に特殊なライディングスタイルで素晴らしい結果を獲得しました。
決定的に歴史上で最も偉大なライダーの1人です。
彼が辞めてしまうのは悲しいですが、決断に満足しているなら誰もが幸せに送り出さなくてはなりません。」



ロレンソの引退については、SNS上でも様々なライダー、著名人、団体からコメントが寄せられています。
















本当にロレンソが引退なんて悲しい限りです。
ホンダに移籍したもの、開幕前から怪我をしてて、テストもロクにできないままシーズンへ突入。
今シーズン怪我で苦労していたことは誰しもが解っていました。
契約はあと1年残っていたので、ヤマハ時代のように "ノッた時は誰も手がつけられないロレンソ" を来シーズンこそ見れるのではないか!?と期待していたのですが・・・

ロレンソが時代を築いたライダーであることは間違いないですし、沢山の素晴らしいレースを見せてくれました。


動画で振り返る ホルヘ・ロレンソ 名レース





ホルヘ・ロレンソによるヘレス・サーキット 水泳パフォーマンス






時々ネタにしてしまうこともありましたが、レースでも、レース以外でもロレンソの事が大好きで、バイクのセットアップが決まった時のロレンソの速さは、本当に素晴らしかったと思います!



せめて、あと1年やってくれたらなぁ・・・というのが私の本音です。

今日から始まるMotoGP世界選手権の最終戦となる、第19戦 バレンシアGPでロレンソの有志を目に焼き付けたいと思います。
また、今後のロレンソの人生が良い人生になればいいなと思います。
今まで お疲れさまでした。






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コメント

  1. 来期完全復活してホンダ機を乗りこなし嫌味なぐらい強いロレンソが観れると願ってたし
    契約が1年残ってるのもあって引退はしないと思ってたからホントにびっくりドンキー
    見かけによらず負けん気が強く復活為のモチベーションは高いと思ってたけど
    度重なる怪我と諸々の事情で心が折れたみたいですね

    ロレンソ後任ライダーについて今言うのは野暮な気がするから
    とりあえず置いといて最終戦でロレンソの勇姿を観たいと思う

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    1. コメントありがとうございます。
      ロレンソって勝利にストイックですし、精神力も高そうなイメージだったので、絶対もう1年は走るもんだと思っていました。
      よほど怪我の容態が悪いのか、ドカ→ホンダでの成績低迷が響いてるのか・・・?
      恐らくどちらもでしょうが、バイクが決まった時に誰も手のつけられないロレンソをもう一度見たかったです。

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  2. びっくりしました!とても残念です!勝てなくてもカッコ悪くてもいいから
    もう1年HRCでがんばってほしかった! ・・でも近年の
    勝てない自分に彼が1番ショックだったんでしょうね。ビニャーレスが言う
    「彼がその瞬間だと感じたら、その瞬間なんだと思います。」というのが真理。
    他人にはわかりませんものね。潔い引き際というべきか?ちなみに1年位して
    「やっぱ辞めるの辞めたっ」て戻ってきても僕ら全然歓迎すよホルゲさんw

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    1. 組長コメントありがとうございます。
      どこかのメーカーのテストライダーでスポット参戦して優勝→引退撤回というパターンに期待してしまいます(笑)
      僕らのジョージなら期待を裏切らないで、やってくれそうな気がして(笑)

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  3. 多くの人も期待していたと思いますが
    来年度の復活を信じていたので、とても残念です
    転倒のトラウマから立ち直れない印象はあっただけに心配はしていましたが…
    やはり転倒骨折はメンタルダメージ大きいのでしょうね

    ビアッジの時もそうだったけど
    俺の好きなライダーはHRCに行くと1年でGPを去る
    今後も何かしらレースに関わる活動をしてくれることに期待します

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    1. コメントありがとうございます。
      やはり、モチベーション下がると上げるのって難しいですよね・・・
      ビアッジも去るの早かったですね・・・
      あの時の事情を考えるとロッシがヤマハに行って、マシンの戦闘力差は明らか。
      開幕前まではビアッジがチャンピオン獲るだろうと誰もが思ってましたからね・・・

      ロレンソの今後の人生が上手くいくように願いましょう。

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