2019年シーズンから始まるARRCのASB1000クラスで使用されるスリックタイヤは特別製!?



2019年シーズンからアジアロードレース選手権(ARRC)では、1000ccクラスのカテゴリーとなるASB1000クラスがスタートします。

既に、ARRCオフィシャルタイヤテストがチャーン・インターナショナル・サーキットで行われており、ARRCと長年のパートナーであるダンロップは、ASB1000クラスで使用されるスリックタイヤの開発に1年以上を費やしています。

アジアロードレース選手権(ARRC)は他の選手権と異なり、日本ROUNDとオーストラリアROUNDを除いたレースは非常に高い路面温度の中レースが行われることから、熱いアスファルトの上をグリップとタイヤ性能の安定性を犠牲にすることなく、良好な性能を発揮しなければなりません。

今日は、2019年シーズンから始まるARRCのASB1000クラスで使用されるDUNLOPのスリックタイヤについて紹介したいと思います。





住友ゴム工業株式会社(DUNLOP)のマネージメント&サービスエンジニアの小林 賢太郎氏によると、現時点では2019の正確な仕様はまだ決定されていないそうです。
2019年シーズンからASB1000クラスで使用されるタイヤは、ARRCのために特別に構築された複合構造を持っているとのコメントをしています。



また、ダンロップの開発チームのライダーで、HiTMAN RC甲子園ヤマハからJSB1000クラスを走っている中冨 伸一選手によりますと、高い路面温度の中行われるASB1000クラスで使用されるスリックタイヤは、2017年の冬から開発が始まりました。

12月4日~5日の日程でチャーン・インターナショナル・サーキットで行われたARRCオフィシャルタイヤテストでは、12月上旬といえ、午後には50度近い路面温度の中行われ、最終仕様のスリックタイヤを改善するための貴重なデータが得られたそうです。

ARRCオフィシャルタイヤテスト終了後にテストに参加した選手から、ASB1000クラスで使用されるダンロップタイヤについてコメントが出ているので紹介したいと思います。




グレン・アラートンのコメント(Next Gen Motorsports, BMW)
「タイヤは以前と変わっていました。
私たちのチームは、チャーン・インターナショナルサーキットに到着する前に、ダンロップのコントロールタイヤを走らせることを知っていました。
ダンロップタイヤに慣れさせるために、私たちは地元で生産されたダンロップタイヤを使って練習走行を行ってきました。
しかし、オーストラリアで入手可能なダンロップタイヤは、異なる特性を持つフランスから持ち込まれた物でした。
ASB1000クラスのカスタムスリックの私の最初の印象は良かったです。
特にフロントは本当に快適で、耐久性とタイヤ性能の安定性も印象的でした。」


アズラン・シャー・カマルザマンのコメント(ONEXOX TKKR Racing Team, BMW)
「私はミディアムとソフトコンパウンドのタイヤが気に入りました。
ダンロップチームは、このテストで非常に多くのバリエーションのタイヤを用意していました。
どのタイヤが一番良いか決定的な答えを出すには、より多くの走行時間が必要になると思います。」


アンディ・ファリッド・イズディハールのコメント(Honda Asia Dream Racing)
「私はテスト中に使用可能な多くのコンパウンドと構造の違うタイヤを試しました。
それらは、それぞれ独自の性格を持ちARRCが開催される様々な種類のトラックに適していると思います。」



チャウィチット・ニサクルのコメント(Kawasaki Thailand Racing Team)
「カスタムスリックは、私たちがスーパーバイクレースで使用するダンロップのタイヤよりも優れています。
私はタイヤの構造が本当に気に入りました。
テストしたタイヤは、より多くのバンク角とコーナーリングスピードを与えてくれます。」


ラタポン・ウィライローのコメント(Yamaha Thailand Racing Team)
「チャーン・インターナショナル・サーキットでYZF-R1に初めて乗りました。
私はより多くの走行距離と周回数を回ることに集中していました。
全体的に、私はフロントタイヤとリアタイヤのハードコンパウンドが、私には最高に機能したと感じました。」


ティモシー・ジョセフ・アルベルトのコメント(Access Plus Ducati Racing)
「私はダンロップタイヤの耐久性にまだ慣れていないので、多くのことに適応する必要があります。
周回数が増えた後にパフォーマンスが低下する他のブランドとは異なり、非常に安定していると感じました。」

ティティポン・ワロコーンのコメント(Kawasaki Thailand Racing Team)
「タイヤの感触は、練習するたび良くなります。
私はダンロップチームがタイヤのために選んだ方向性が好きです。」

アニパブ・サルムーンのコメント(Yamaha Thailand Racing Team)
「私の意見はフロント・ミディアムとリア・ハードが良かったです。
ソフトコンパウンドだと私の走りでは、多くのチャタリングを引き起こすようです。」


と各選手からコメントが公開されています。
ちなみに、12月4日~5日の日程でチャーン・インターナショナル・サーキットで行われたARRCオフィシャルタイヤテストのリザルト表は以下の通りです。



ARRCオフィシャルタイヤテスト 初日結果(ASB1000・SS600混走)
※画像クリックで拡大します。



ARRCオフィシャルタイヤテスト 2日目結果(ASB1000・SS600混走)
※画像クリックで拡大します。



ASB1000仕様のスリックタイヤはサイドウォールに"ARRC ASB1000"と刻印されているのがカッコいいですね。



テスト後のライダーのコメントを見ると、ソフトタイヤ以外は好感触のようですね。
初開催となるASB1000クラスですが、誰がダンロップタイヤを上手く使いこなさるかがカギになってきそうです!
ARRCの開幕戦は、セパン国際サーキットで3月8日〜3月10日の日程で開催されます。
2019年シーズンから始まるASB1000クラスは一体どんなドラマを生み出すのでしょうか!?


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